Androidの「画面分割(マルチウィンドウ)」機能は、2つのアプリを同時に使えるとても便利な機能です。
しかし、アプリによっては「このアプリは分割画面に対応していません」と表示され、使えないケースもありますよね。
この記事では、そんな画面分割非対応のアプリを強制的にマルチウィンドウ化する方法を、初心者でもわかるように丁寧に解説します。
「開発者向けオプション」を使って設定を変更するだけで、ほとんどのアプリを分割表示可能にできます。
また、設定後の挙動や注意点、便利な活用例までしっかりカバーしているので、この記事を読めばあなたのAndroidをもっと快適にマルチタスク化できるはずです。
それでは、非対応アプリを分割できるようにする具体的な手順を見ていきましょう。
Androidの画面分割(マルチウィンドウ)とは
まずは、Androidの「画面分割」機能とはどんなものかを整理しておきましょう。
この機能は、1つの画面上で2つのアプリを同時に表示し、それぞれを個別に操作できる仕組みです。
例えば、YouTubeで動画を再生しながらSNSをチェックする、マップでナビを見ながらメモアプリに記録する、といった使い方が可能になります。
画面分割機能の基本概要と対応バージョン
Androidのマルチウィンドウ(画面分割)機能は、Android 7.0 Nougatから正式に搭載されました。
それ以前のバージョンでは一部のメーカー独自UIを除き、この機能を利用できません。
Android 12以降では多くのアプリが標準でマルチウィンドウ対応となり、より安定して動作するようになっています。
| Androidバージョン | マルチウィンドウ対応状況 |
|---|---|
| Android 6.0以前 | 未対応(非公式機能のみ) |
| Android 7.0〜11 | 対応(アプリごとに可否あり) |
| Android 12以降 | 基本的に全アプリ対応 |
ただし、アプリ開発者が意図的にマルチウィンドウを無効化している場合もあるため、全てのアプリが分割できるとは限りません。
どんな場面で役立つのか(使用シーン例)
画面分割は、仕事や勉強、エンタメなどさまざまなシーンで活用できます。
たとえば、オンライン会議中にメモを取る、地図アプリを見ながらチャットするなどが典型例です。
特にタブレットユーザーにとっては、PCのように作業できる便利な機能といえます。
| 使用シーン | 活用例 |
|---|---|
| ビジネス | Zoom × メモアプリで会議メモを同時に取る |
| 勉強 | ブラウザ × 辞書アプリで調べながら学習 |
| エンタメ | YouTube × Twitterで実況しながら動画視聴 |
マルチウィンドウ機能は、日常のスマホ操作を一段上の便利さに変えるツールといえるでしょう。
なぜ一部アプリは画面分割に対応していないのか
ここでは、「なぜ特定のアプリでは画面分割が使えないのか?」という疑問に答えます。
実は、これはAndroidの仕様とアプリ開発者の意図の両方に関係しています。
アプリ開発側の制限とその理由
アプリ開発者は、Androidの設定で「このアプリはマルチウィンドウに対応しない」と明示的に指定できます。
主な理由は、複数画面での動作検証が難しく、レイアウト崩れや不具合が発生しやすいためです。
特にゲームアプリやカメラアプリなどは、高負荷処理を行うために全画面での動作を前提としています。
| 非対応の主な理由 | 具体的な例 |
|---|---|
| UIが崩れる可能性 | 固定サイズを前提としたデザイン |
| パフォーマンス低下 | 3Dゲームなど高負荷処理を伴うアプリ |
| 開発工数の削減 | マルチウィンドウを想定していない設計 |
アプリ側で制限されている場合、ユーザー操作では通常解除できません。
Androidの仕様による制約について
Android OS側にも、一部のシステム領域ではマルチウィンドウを禁止する仕組みがあります。
例えば、ロック画面や設定アプリの一部は安全性の観点から分割表示できません。
また、端末メーカーによっては独自の制限を設けている場合もあります。
| 制約の種類 | 対象・例 |
|---|---|
| システム的制限 | ロック画面、通知領域など |
| メーカー独自仕様 | 一部の中華系OSなど |
| セキュリティ要件 | 機密情報を扱うアプリ(銀行・認証系など) |
つまり、「分割できないアプリ」は意図的な制御によるものが多く、普通の設定では解除できないのです。
非対応アプリを強制的に画面分割する設定方法
ここからは、実際に「画面分割」非対応のアプリを強制的に分割表示で使う方法を紹介します。
やることはシンプルで、Androidの開発者向け設定を1つ変更するだけです。
この設定を有効にすると、ほとんどのアプリを分割表示で動かせるようになります。
開発者向けオプションを有効にする手順
まずは「開発者向けオプション」を表示するところから始めましょう。
これが見当たらない場合は、次の手順で簡単に有効化できます。
| 手順 | 操作内容 |
|---|---|
| ① | 「設定」アプリを開く |
| ② | 「デバイス情報」または「端末情報」をタップ |
| ③ | 「ビルド番号」を7回連続でタップ |
| ④ | 「開発者モードが有効になりました」と表示されれば完了 |
これで設定メニューに「開発者向けオプション」が追加されます。
この設定は上級者向け項目です。誤って他の項目を変更しないよう注意しましょう。
「アクティビティをサイズ変更可能にする」を設定する方法
次に、実際に画面分割を強制する設定をオンにします。
「開発者向けオプション」を開き、「アクティビティをサイズ変更可能にする」という項目を探してください。
見つけたら、そのスイッチをオンにします。
| 設定名 | 意味 |
|---|---|
| アクティビティをサイズ変更可能にする | すべてのアプリをマルチウィンドウ対応扱いにする |
この設定を有効にすることで、通常は「画面分割できません」と表示されるアプリも、強制的に分割表示可能になります。
この1つのスイッチが、非対応アプリを“マルチウィンドウ対応”に変える鍵となります。
設定後の再起動と確認手順
設定を有効にしたら、一度Android端末を再起動しましょう。
再起動後、通常通りアプリの履歴画面(タスク切り替え画面)を開きます。
分割したいアプリのアイコンをタップし、「分割画面」または「スプリットビュー」を選択します。
| 手順 | 操作内容 |
|---|---|
| ① | 再起動後、アプリ履歴画面を開く |
| ② | 対象アプリのアイコンをタップ |
| ③ | 「分割画面」または「スプリットビュー」を選択 |
| ④ | 別のアプリを選択して同時表示を確認 |
問題なく分割できれば設定は完了です。
もし分割ボタンが表示されない場合は、設定が反映されていない可能性があるため、再起動や設定確認を行いましょう。
強制分割後の挙動と注意点
アプリを強制的に画面分割で動かすと、通常と異なる挙動をすることがあります。
ここでは、知っておくべき注意点と、快適に使うためのコツを紹介します。
バックグラウンド側アプリが停止するケース
Androidでは、片方のアプリをフォアグラウンド(前面)にして操作していると、もう片方が一時停止することがあります。
これはマルチウィンドウ非対応のアプリで特によく起こる挙動です。
ただし、停止していてもアプリが完全に終了するわけではなく、メモリ上で状態を維持しています。
| 状態 | 動作内容 |
|---|---|
| フォアグラウンド側 | 通常通り動作 |
| バックグラウンド側(非対応アプリ) | 一時停止(動作は止まるが保持される) |
アプリが完全に終了してしまう場合は、端末設定の「バッテリー最適化」を無効にすると改善することがあります。
マルチタスク動作を安定させるコツ
強制的に分割表示を行う場合でも、安定性を高める方法はいくつかあります。
- できるだけ片方は正式対応アプリを使う
- バックグラウンド側で重い処理を行わない
- 不要なアプリを閉じてメモリを確保する
特に、メモリ使用量が多いアプリ同士を同時に動かすと動作が不安定になることがあります。
「片方でもマルチウィンドウ対応アプリを使う」ことが安定動作のカギです。
実際に便利な活用例(ポケモンGo×Googleマップなど)
この設定を使うと、今まで不可能だった組み合わせも同時に動作させられます。
たとえば、位置情報ゲーム「ポケモンGo」をフォアグラウンドにして、バックグラウンドで「Googleマップ」を動作させる使い方です。
ポケモンGo側を操作しながら、マップでルート確認ができるため、移動中の利便性が格段に上がります。
| 組み合わせ例 | 活用内容 |
|---|---|
| ポケモンGo × Googleマップ | 位置情報ゲームをしながらナビ確認 |
| YouTube × メモアプリ | 動画を見ながらメモを取る |
| LINE × ブラウザ | リンクを開きながらチャットする |
このように、工夫次第でスマホの使い方が大きく変わります。
非対応アプリを分割できるようにすることで、Androidの真価を引き出せます。
設定が反映されない・うまく動作しないときの対処法
設定を有効にしても「分割画面」が表示されない場合や、アプリが強制終了してしまう場合があります。
この章では、そんなトラブル時の確認ポイントと解決方法をまとめます。
開発者オプションが見つからない場合の対処
「開発者向けオプション」が設定メニューに表示されない場合は、再度ビルド番号を7回タップして有効化してください。
それでも出てこない場合は、設定アプリ内の検索機能で「開発者」と入力して探すと見つかることがあります。
| 問題 | 対処方法 |
|---|---|
| 開発者オプションが表示されない | 「端末情報」→「ビルド番号」を7回タップ |
| メニュー内に見当たらない | 検索バーで「開発者」と入力して検索 |
| 設定を開いても項目が見つからない | OSのバージョンが古い可能性あり。最新化を検討 |
特にAndroid 6以前ではマルチウィンドウ自体が非対応なので、設定を探しても出てこない点に注意が必要です。
アプリやOS側の制限を回避できない場合
一部のアプリは、開発者オプションを有効にしても分割できないケースがあります。
これは、アプリ内部で「resizeableActivity=false」と設定されているため、Androidが強制的に分割を拒否する仕様になっているためです。
この場合、残念ながら通常の方法では解除できません。
| 原因 | 現象 |
|---|---|
| アプリ内部で分割禁止設定あり | 分割ボタンが表示されない |
| OSやメーカーの仕様 | 分割操作を受け付けない |
| セキュリティポリシー | 銀行・認証アプリなどは例外 |
どうしても使いたい場合は、同様の機能を持つ代替アプリを検討するのも一つの方法です。
「すべてのアプリで分割できるわけではない」ことを理解しておくのが、トラブル回避の第一歩です。
まとめ:Androidで画面分割非対応アプリを便利に使いこなそう
ここまで、Androidの「画面分割」非対応アプリを強制的にマルチウィンドウで使う方法を解説してきました。
最後に、重要なポイントを整理しておきましょう。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 1 | 「開発者向けオプション」を有効化する |
| 2 | 「アクティビティをサイズ変更可能にする」をオンにする |
| 3 | 再起動して設定を反映させる |
| 4 | 分割画面を試して動作を確認する |
これらを行えば、通常では分割できないアプリでもマルチタスク環境で使えるようになります。
ただし、すべてのアプリが完全対応するわけではなく、動作が不安定になる場合もあります。
そのため、必要に応じて設定をオン・オフしながら使い分けるのがおすすめです。
「非対応アプリでも使えるようにする」ことで、あなたのAndroidはもっと自由で効率的になります。
Androidの可能性を広げたい方は、ぜひこの方法を試してみてください。
